急成長するBYDに潜む“危険度”とは?見逃せない財務リスクと注意点を徹底解説

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(引用)https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:BYD_Auto_2022_logo.svg

世界のEV市場を席巻する中国のBYD(比亜迪)。2024年には売上高が16兆円を突破し、テスラに迫る勢いで電気自動車シェアを拡大しています。その勢いは凄まじく、多くの日本企業も「BYDと取引したい」「この波に乗りたい」と関心を持っていることでしょう。

しかし、その裏側では急成長企業にありがちな重大なリスクもいくつか浮上しています。本記事では、BYDの「危険度」をテーマに、財務・取引・構造的リスクなどを実務的視点からわかりやすく整理します。

ワタナベ
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ゴム業界の多くの会社も
BYDの快進撃によってサプライチェーンへの新規参入を検討している
会社も多いかと思います。
ぜひ参入前に今記事をお読みいただきリスクを理解した上で
ご検討いただきたいと思います。
※筆者個人的には近年巨額の負債を抱え倒産した【恒大集団】
 と同じ匂いがするので注意する事をお勧めいたします。


表面上は絶好調でも“隠れ負債”が巨額

2024年時点のBYDは、売上も利益も右肩上がり。だが、会計上に記載されていない**「オフバランス負債」**が実は膨れ上がっていると複数の独立系リサーチが警告しています。

Dチェーンという独自の支払手法

BYDはサプライヤーへの支払いに、現金ではなく「Dチェーン(デジタル債権)」という仕組みを使っています。

  • 支払いまでに9〜12か月かかる
  • サプライヤーが現金化するには8〜10%の手数料が必要
  • この負債は財務諸表に現れず、実質的な「見えない借金」

→ GMTリサーチによると、BYDのこの種のオフバランス負債は6.8兆円相当に達すると分析されています。

つまり、財務諸表が実際より健全に見えている可能性があるのです。

(引用)https://riesen.co.jp/35890


高品質志向とペナルティリスクの二面性

BYDは品質に対して非常に厳格です。一見好ましく見えますが、実際には以下のような強硬な運用がなされます。

  • 不良発生時、48時間以内に是正報告書(8Dレポート)提出が必須
  • 品質問題が一定数に達すると、発注停止または単価引き下げ
  • トレーサビリティ不備による高額ペナルティの前例あり

スピード納期と品質厳守という“両立しにくい要求”が同時に求められる点に注意が必要です。


契約や取引条件があいまいでリスクが高い

中国企業との取引に共通する問題点でもありますが、BYDとの取引では特に以下のような注意点があります。

  • 正式な契約書より先に試作・量産依頼が発生する
  • 支払いサイト(入金までの日数)が非常に長い
  • 通貨は人民元指定。為替変動リスクがサプライヤーに転嫁されやすい

形式より実務優先という方針が徹底されているため、日本式の契約観ではトラブルを防げません。


技術情報の持ち出しや模倣リスク

BYDは部品の内製化を強く推進しています。一度外注した技術・図面・仕様をもとに、自社製造に切り替えることも珍しくありません。

  • サンプル提出後に仕様書を自社展開
  • 金型の持ち出しや再利用の懸念
  • 知財・特許の主張が曖昧なまま設計が流用されるケースも

技術提供=将来の競合になるリスクもあるため、慎重な管理が不可欠です。


ディーラーの経営破綻が続出、構造のひずみが表面化

2025年5月、中国山東省のBYD正規ディーラー「Qiancheng Holdings」が経営破綻し、20店舗以上が閉鎖されました。これは販売奨励制度や価格政策の急変により、ディーラーが利益を出せずに撤退したケースです。

このように、表面上の成長の裏に「無理な拡大戦略」や「現場疲弊」が潜んでいる点も見逃せません。


政府補助金依存と将来の不透明性

BYDは2024年、政府補助金として2,100億円以上を受け取っています。これは利益の約25%にも相当し、今後補助金が削減された場合、収益構造が一気に悪化するリスクがあります。

また、地政学的なリスク(米中摩擦、貿易制限など)によっても、BYDの海外展開や部品輸出入が不安定になる可能性があります。


結論:「BYDは危険か?」→ “成長力とリスクの両面を正しく評価すべき”

BYDは間違いなく今後のEV業界を牽引するリーダー企業です。しかしその一方で、

  • 巨額の見えない負債
  • 過酷な品質・納期要求
  • 曖昧な契約運用と支払い遅延
  • 技術模倣・取引切り替えの可能性

といった見過ごせないリスクを内包しています。

そのため、BYDと取引を検討するサプライヤー・投資家・関係企業は、

  • 契約リスクへの法務対策
  • 支払いサイトの管理
  • 技術情報の統制
  • 取引ポートフォリオの多様化

を実行しながら、戦略的な距離感で付き合うべき相手だと考えるべきでしょう。

本記事は下記参照元をベースに調査しまとめております。

参照元 https://mobyinfo.com/makers/byd-hidden-debt-risk-gmt-warning/?utm_source=chatgpt.com

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ゴム業界に20年以上勤務し、海外拠点で事業責任者として10年以上勤務するゴムの専門家です。

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