
ゴム業界で働く中で気付いた事を
日々コラムとして執筆していきます。
今回はVol.37 中国におけるゴム業界のビジネスで知るべき税金(18項目)
というコラムを書いていきます。
1. 法人税(Corporate Income Tax)
法人税は企業の利益に対して課税される税金です。
- 税率: 25%(一般企業)
- 軽減税率: 15%(ハイテク企業、経済特区など)
2. 消費税(Consumption Tax)
消費税は製造・販売業者が商品やサービスに対して課す税金で、ゴム業界でも一部製品に適用されます。
- 税率: 一部の特定消費財に課税され、ゴム製品は通常消費税の対象外。主に製品の販売時に関連。
3. 増値税(Value-Added Tax, VAT)
増値税は、製造業者が仕入れた材料に対して支払った税額を差し引き、販売時に徴収する税金です。
- 税率:
- 基本税率: 13%
- 軽減税率: 9%(一部製品、ゴム関連商品も対象)
- 仕入税額控除: 仕入れ時に支払った税金を控除可能。
4. 関税(Customs Duties)
中国で輸入される製品には関税が課せられます。ゴム製品に関しても、輸入品に対して関税が発生します。
- 税率: 製品によって異なりますが、一般的に**0%~20%**の範囲。
5. 個人所得税(Individual Income Tax)
企業は従業員の給与から源泉徴収し、個人所得税を納める義務があります。
- 税率: 3%~45%(累進課税)
- 標準的な税率: 一般的に**10%〜25%**の範囲。
6. 社会保険料(Social Insurance)
従業員の給与に対して企業と従業員が共同で支払う社会保険料があります。
- 税率: 総額の約30%(企業負担と従業員負担を合わせて)
7. 土地使用税(Land Use Tax)
企業が土地を使用する際に課せられる税金です。
- 税額: 約10~30元/㎡(地域と用途により異なる)
8. 不動産税(Property Tax)
企業が所有する不動産に対して課せられます。
- 税率: 1.2%~12%(不動産の価値に応じて変動)
9. 環境保護税(Environmental Protection Tax)
企業が環境に対して悪影響を与える場合に課せられる税金です。
- 税率: 排出量に応じて異なるが、数元/トン(CO2などの汚染物質の排出量に基づく)
10. 輸出戻し税(Export Tax Refund)
中国では輸出時に消費税が免税され、輸出業者は税金を戻してもらうことができます。
- 税率: 通常13%(但し特定製品は免税、税務当局への申請必要)
11. 契約印紙税(Stamp Duty)
契約書に関連する税金で、契約金額に応じて課せられます。
- 税額: 契約金額の0.03%~0.1%
12. 増加価値税(VAT Refunds on Exports)
輸出業者が支払った増値税を返還される仕組みです。
- 税率: 13%(通常の製品に対して)
13. 株式配当税(Dividend Tax)
企業が株主に配当を行う際に課せられる税金です。
- 税率: 20%(国内株主に対して)
14. 合併・買収税(M&A Tax)
企業が合併や買収を行う際に発生する税金です。
- 税率: 25%(通常の法人税が適用)
15. 輸入関税(Import Duties)
輸入品に課せられる税金で、ゴム業界の原材料にも関係します。
- 税率: 通常0%~20%(製品によって異なる)
16. 地方税(Local Taxes)
地方政府が徴収する税金で、地域によって異なります。
- 税額: 地方消費税や地方企業税などが含まれ、税率や金額は地域ごとに異なります。
17. 外資企業税制(Foreign Investment Tax Regime)
外国企業が中国に進出する際に適用される特別税制です。
- 税率: 15%(外資系企業に対しての法人税軽減措置)
18. 事業税(Business Tax)
かつて存在した事業税は、増値税と統合され、現在は増値税として運用されています。特定の業種には引き続き課せられる場合があります。
- 税率: 主に5%~10%
まとめ
中国における税制は多岐に渡り、ゴム業界のビジネスには多くの税金が関わってきます。主要な税金である法人税、消費税(VAT)、関税、個人所得税、環境保護税など、各種税制の理解と適切な運用は、企業運営において不可欠です。特に、増値税や輸出戻し税など、取引の種類に応じた税制を活用することで税負担を軽減できます。また、地域別に異なる税率や税制優遇措置を活用することも有効です。
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